旧コラム

第8回 ダイニングチェアーをネットで購入したが、テーブルと高さが合わない・・・

財団法人日本消費者協会 消費生活コンサルタント 西本光代

ご相談内容

以前、家具店で気に入り購入したダイニングテーブルに合う、椅子をネットショップで探していました。色も材質もテーブルと合うものを見つけ購入しました。 しかし、届いた椅子は、そのダイニングテーブルには座面が高すぎました。返品したいと販売店に伝えましたが、「自己都合による返品は受け付けていない」と応じて貰えませんでした。返品はできないでしょうか。 (北海道在住・30代・Y子さん)

コンサルタントの解説

サイトには、椅子の写真と、寸法や材質等家庭用品質表示法に基づいた表示がありました。返品条件には、「商品に欠陥がある場合を除く自己都合による返品はできません」と記載されていました。
椅子の高さは寸法通りかと確認すると、脚の長さが寸法より長いと思いました。椅子の高さはどの部分で測り表示するのかを工業会に問い合わせました。座面の真ん中の高さを表示することになっているとのことでした。座面の真ん中の高さは表示の寸法どおりでしたので、返品の申し出は自己都合によることになってしまい、返品は受け付けられませんでした。

消費者の皆様へ

家具をネットやカタログを見て購入したが、写真とイメージが違うという相談が多く寄せられますが、自己都合による返品は不可と記載されている場合は、イメージが違うというぐらいでは返品できません。 椅子やタンス、テーブルといった家具には、家庭用品品質表示法に基づいた表示義務があり、椅子は、寸法、構造部材、加工がなされているものについては表面加工、張り材、クッション材、それに、取り扱い上の注意点と表示者の名称と住所または電話番号が表示事項となっていますが、色や感触にこだわる場合は、表示だけではわかりません。購入前に返品できる条件など(返品特約)を確認して、気になることは購入前に直接販売店に確認しましょう。

ネットショップ事業者の皆様へ

平成21年12月から特定商取引法が改正され、「返品できない」ことが明記されていなければ、消費者から8日間は返品できることになりました。このケースでは明記されていたので返品は受け付けられませんでした。 家庭用品質表示法では寸法を記載しなければならないようですが、この場合「高さ」がどの部分をさすのかが消費者にとってわかりにくかったと思われます。わかりやすくより親切な表示を心がければ、このようなトラブルを避けることができたでしょう。 また、返品特約は商品ページや買い物カゴへの明記が必要です。わかりにくい表記では無効のおそれもありますので、ガイドラインなどを確認して明記を心がけましょう。
財団法人日本消費者協会 消費生活コンサルタント 西本光代

財団法人日本消費者協会

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