旧コラム

第7回 安いからって、そこで買っても大丈夫?

財団法人日本消費者協会 消費生活コンサルタント 安達智美

ご相談内容

オークションで見つけた輸入雑貨がとても安く、ショップの出品なので安心して落札し、支払いは相手指定の代引にしました。 しかし代引の金額は落札額ではなく、手数料を上乗せした金額になっていましたが、配達業者に言われるまま、お金を払って受け取りました。
(東京都在住・20代・M子さん)

コンサルタントの解説

オークションとは、ある商品に対して、購入希望者が希望の金額を提示し、その中で最も高値をつけた人が購入できる仕組みのことです。商品を売る人が出品者、購入したい人が入札者、購入する権利を得ることを落札といいます。
出品者の中にはストア出店という形で、オークションを利用しているネットショップが数多くあります。インターネットショッピングでは、取引相手が安全であるかどうかの見極めが難しく、トラブルを回避するためには購入者が十分な注意を払わなくてはなりません。
特にオークションを利用した取引は、安価で便利である反面、トラブルが多く発生しています。運営会社はトラブルが起こっても解決のための交渉はしないという規約を掲げている所が殆どです。また相手の連絡先がIDやメールアドレスしか分からないことも多いので連絡しても回答が得られない、電話番号へ連絡してもつながらないなど、消費者センターでも解決が難しいこともあります。
このケースでは、連絡をメールに限定しているショップであったので、メールにて手数料の上乗せについて説明を求めましたが、回答はありませんでした。購入者の保存していた情報を詳しく見てみると、規約違反の手数料の上乗せでした。 トラブルに巻き込まれないためには、まずは出品者から提供されている情報を全て目を通しておくこと、そして信用できる取引相手かどうか、代金を支払う前に確認することが大切です。相手の情報(ID、住所、氏名、電話番号、メールアドレス、振込先口座)を確認し、それらが経済産業省の「消費生活安心ガイド」や運営会社の提供するトラブルリストに掲載されているかをチェックすることで、相手が過去に事件を起こしているかがわかります。

消費者の皆様へ

オークション運営会社はトラブルがあった場合、特定の範囲内で独自の補償を行っている所もあります。しかし、まずはトラブルに巻き込まれないようにするために、取引の開始前に、疑問点や購入条件を確認したり、情報を集めることが大切です。 質問に答えない、規約に違反する記載がある、低い評価があるなど、少しでも違和感を感じたら、出品者について調べましょう。
悪意のない相手でもトラブルとなることもあるので、購入者もオークションの規約やルールを理解し、取引前に商品の詳しい状態や返品の条件などを打ち合わせておくべきです。代引の場合は、請求額が間違っていたり、違う商品が届いているようだったら受け取らないという事もできます。

ネットショップ事業者の皆様へ

オークション形式の販売の場合、返品交換、希望落札価格に満たない価格でも取引に応じるかなど、取引条件を予め記載しておくと、トラブルを回避できます。 オークション付属の伝言板やWEBメールだけではなく、きちんと対応できる連絡先を記載しておくと、購入者の安心につながります。
財団法人日本消費者協会 消費生活コンサルタント 安達智美

財団法人日本消費者協会

消費者のための情報提供や啓発などを行ったり、消費者の声を生産者や流通業者、行政、業界団体等に伝える公益法人です。かしこい消費者になるための「消費者力検定」を実施したり、生活に関する苦情、相談も受け付けています。

消費者相談室

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