旧コラム

第9回 ネットで購入した折り畳み自転車の重さが違う。

財団法人日本消費者協会 消費生活コンサルタント 西本光代

ご相談内容

知人が自転車専門店で購入した外国製の折り畳み自転車と同じものを買いたいと思い、ネットで同じものを購入しました。ところが届いた自転車を組み立ててみたら、グリップやサドルの感触が、知人の自転車より硬く、店に返品したいと伝えましたが、一端組み立てると返品は受け付けられないと言われました。感触が違うぐらいでは仕方がないかと諦めていましたが、自転車を持った知人が自分のより重たいような気がすると言うので、店のサイトを再度確認しました。型番、重さも知人の購入したものと同じで、重さは11キログラムと表示されていました。そこで自転車を持って体重計に乗った重さと、持たない重さを計ってみました。差は12.5キログラムありました。専用袋に入れれば、電車に折り畳んで持ち込むことができる自転車ということで、6~7万円という価格帯の中では、軽いということが気に入って購入しましたので、店に、表示の重さが1.5キロも違うと申し出ました。店が輸入元に確認したところ、部品の仕入れ先が代わったことにより、今までの品質が保たれていなかったことが分かり、返品に応じてもらいました。

消費者の皆様へ

通信販売の場合、購入した商品を返品できるかどうかは返品規定の記載条項によるとされています。返品規定にノークレーム、ノーリターンと記載されているものも中にはありますが、多くの場合は、商品に問題がある場合は当然、返品できる旨の記載があります。
当該ケースのように、返品に一定の条件が付いている中で、感触が違うという理由だけでは店に返品を求めることは難しいと思えますが、商品購入の大きな要素が表記と異なる場合は、返品交渉は可能かと思いますので、商品が届いたらすぐに確認するように心がけましょう。
また、折り畳み自転車については、独立行政法人国民生活センター・製品評価技術基盤機構よりいくつか事故の報告がなされています。購入の際にはJISマークや、SGマーク、TSマークを購入の際の参考にしましょう。

ネットショップ事業者の皆様へ

店舗販売と違い、通信販売は、開封して商品の中身をチェックすることなく商品を発送することが多いようです。当該ケースは安全性に問題があった訳ではありませんが、自転車のように安全性に問題があると、事故に繋がるような商品については、購入者が不安や不満を申し出た場合は、販売店にもよくその内容を聞き取ってほしいと思います。また、JIS規格を参考に安全性の高い商品の販売に努めるとともに、SGマークやTSマークのように各団体が運営するマークも参考にしてもらいたいと思います。
財団法人日本消費者協会 消費生活コンサルタント 西本光代

財団法人日本消費者協会

消費者のための情報提供や啓発などを行ったり、消費者の声を生産者や流通業者、行政、業界団体等に伝える公益法人です。かしこい消費者になるための「消費者力検定」を実施したり、生活に関する苦情、相談も受け付けています。

消費者相談室

電話:03-5282-5319
受付時間:月曜~金曜 10:00~12:00/13:00~15:00(土日祝日を除く)

TradeSafeトラストマーク導入